ブルックナー 交響曲第9番 / ラトル | SACD


帰国したら、楽しみにしていた第4楽章が補筆されたラトルのBruckner Symphony No.9 with 2012 SPCM Finale(補筆完成版) がきていた。国内盤はめったに手にしないけど、今回は日本盤のみSACD仕様ということで。何をするよりも先に封を開け、SACDプレイヤーにディスクをセット!

bruckner 9th SACD 

マーラーと違い、ラトルにブルックナーというイメージはほとんどなく、ベルリンとの4番とバーミンガムとの7番の録音も聴いたことがない。で、9番は迫力で押し迫るというより、丁寧に壮大にという感じ。ちなみに持っているものでお気に入りは、ジュリーニとウィーン、それにヴァントとベルリンのもの。

そう、普段はディスクを換えることはない9番なので、第2楽章後にしばし2枚目に入れ換えるのを忘れる。なんか新鮮だ。ラトルがインタビューに応えていたように、特に第3楽章あたりはこれが最後だと思うのと、このあとにフィナーレがあると思うのでは、聴き方が変わってくるんだなぁ。意図されていると思うけど、1枚目に第3楽章まで入れず、第1, 2 / 第3, 4 と2楽章ずつディスクに入れたのは、この第4楽章が単なるおまけではないということを言いたいのだろうか。。。

bruckner 9th SACD reverse

賛否はあるにせよ、このSPCM2012年の補筆完成版がある程度ファンにも認識され、今後演奏会でも取り上げられるようになれば面白い。ラトル自身もそう望んで初めての9番の録音に第4楽章を加えたんだと思う。マーラーの未完成作品に同じだけのヒントが残されていたとしても、ここまで仕上げるのは難しいだろう。

1896年で止まっていたブルックナーの時計は、意図したものかわからないまま再び針を進め、2012年にの世に放たれた。残された楽譜と傾向をヒントに研究し、ここまで再現してしまうことに脱帽。17分辺りの495小節あたりから後半の盛り上がりを見せ、20分過ぎ589小節目からフィナーレに向かう主題の統合部分などの推論箇所を繰り返し聴いてしまった。

新たな録音とはいえ慣れ親しんでいる3楽章に加わった22分41秒。ホルンでしめやかに終わる9番ではなく、ブルックナーのイメージに近い終わり方。4楽章に関しては、さらに大きなオーケストレーションでもよかったくらいだけど、聴き終わった後は、第4楽章の主題とフィナーレの対比が耳から離れない。補筆という響きはあまり好きではないけど、第4楽章は想像より素晴らしかった。他の3楽章がより素晴らしいのは言うまでもないけど、良いチャレンジだった。

ちなみにブルックナー9番は、その後1976年録音のジュリーニとシカゴ響の音に出会い、それが一番のお気に入りかも。